12月18日に一般社団法人ホワイトハンズ主催で行われたセックスワークサミットに参加してきました。
セックスワークサミットとは、これからの性風俗産業の進むべき方向性を議論するサミットです。
サミットのキーワードは、「性労働(セックスワーク)の社会化」
というもので、2012年から始まり、年4回開催しているサミットです。
当日は定員80名中ほとんどの席が埋まり、外の寒さとは違った参加者の熱気で充満していました。
※坂爪さんのFacebookもしくはセックスワークサミットの公式サイトにて当日の雰囲気が分かります。
主催者でもあり、幣協会の顧問でもあるホワイトハンズ代表理事の坂爪さんの開会の挨拶に始まり、2016年に出版された飲食・性風俗関連の書籍のレビューをされました。
そして、そのレビューの中で紹介された書籍から二人の著者がそれぞれ登壇。
一人目は小野一光さん。
写真撮影:松澤雅彦さん
小野一光 (おの・いっこう) さん
1966年生。福岡県北九州市出身。
雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーライターに。
「戦場から風俗まで」をテーマに北九州監禁殺人事件、 アフガニスタン内戦、東日本大震災などを取材し、 週刊誌や月刊誌を中心に執筆。著作に『家族喰い 尼崎連続変死事件の真相』 『完全犯罪捜査マニュアル』(ともに太田出版)、 『風俗ライター、戦場へ行く』(講談社)、 『東京二重生活』(集英社)、『殺人犯との対話』(文藝春秋)など多数。
小野さんは、東日本大震災の被災地の風俗嬢を五年にわたり取材した渾身のノンフィクション「震災風俗嬢」の著者です。取材される中で女性から聞いた声、またはその女性が仕事で出逢った、同じ被災者でもある男性の声。
被災した苦しさ・辛さを正直に周りに伝えてはいけない、そんな中で「風俗嬢」と「お客さん」という究極の他人だからこそ話せる本音。
そういった、現場で取材したからこそ話せる真実を、静かな語り口で話してくれていました。
そして、その中で聞いた「風俗嬢も被災者なのに、同じ被災者(お客さん)を慰める役割を持っていた。」という言葉を私たちは知っておくべきではないかと思いました。
そして続いて武岡暢さん。
武岡暢(たけおか・とおる)さん
1984年東京都新宿区生まれ。東京大学文学部社会学専修課程卒業、東京大学大学院人文社会系研究科社会学専攻博士課程修了。博士(社会学)。
歌舞伎町でのフィールドワークに基づいた歓楽街の都市社会学を研究。
日本学術振興会特別研究員DC1、同PDを経て、首都大学東京都市環境学部特任助教。『歌舞伎町はなぜ“ぼったくり”がなくならないのか』(イースト新書)が初めての単著となる。
「歌舞伎町はなぜ<ぼったくり>がなくならないのか」の著者である武岡さん。自己紹介~著書の概要、そして寺谷公一さんを特別ゲストに対談をしてくださいました。
寺谷公一(てらたに・こういち)さん
歌舞伎町コンシェルジュ委員会。思想家、ジャーナリスト。映像、PR/Web制作会社Hermes.inc代表取締役。
フリージャーナリストとして歌舞伎町のまちづくりをウォッチ、頭脳、戦略、実行を担う。
ブログ、執筆、インタビュー、あるいはWEB戦略などを通じ、歌舞伎町の”光”側発信の「核」。
地下鉄や山手線の24時間運行、夜間電力の有効活用・蓄電によるバスのオール電化推進、風適法の実態にあった改正と営業時間規制撤廃、サンセット法案の実現などを求めた政治活動展開。
この対談も大変中身が濃く、社会学者から見る歌舞伎町、そして街に根を張り活動を行っている方から見る歌舞伎町の共通点や対比を、ユーモアを交えながら対談してくださいました。その中には伏字にしなければいけない話もチラホラありましたが(笑)。
お二人の対談から、夜の業界健全化のために必要なことを再度学ぶことができました。
夜業界に身を置く方々が、どうしたら安心して働くことができるか?
夜業界のサービスを受けるお客さんが、どうしたらもっと安心・安全に楽しめるか?
常にこの課題を忘れずに、活動を行っていきたいと思います。
なお、その後は歌舞伎町の懇親会にて、様々な活動家と知り合うことができ、大変有意義な一日となりました。
次回のセックスワークサミットは、2017年3月5日に行われる予定とのことです。題目は、良くも悪くも全国で話題になっている「JKビジネス」について。
興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ一緒に行きましょう(^o^)
また、今回ご登壇されたお二人の書籍もぜひ読んでみてください。